――購入の決め手はなんですか?
ニノさん「Googleが出してるピュアなAndroid OSを搭載した端末だから」
――デザインとか機能よりもGoogleだから?
ニノさん「Pixel 3/3XLは、ほぼピュアなAndroidで、SONYやHUAWEIから出てるのはメーカーごとの色が付いてるんですね。そのメーカーや操作性が好きな人はかまわないんですけど、やっぱりデベロッパーたるもの、ピュアなAndroidを欲してしまうんですね」
ケイくん「年に4機種くらい出てるXperiaとかと違って、Pixelシリーズは年に1機種出るだけなんですよ。フラッグシップとしてのプレミア感もあるし、使いたい人が集中する。結果的に多くの人が使うわけですよね。いろいろ入っていないピュアなAndroidなので開発者も使いやすいんですけど、使っているうちにさまざまな不具合が出る。開発者には問題に対処する能力があるので、検索したり試したりするうちに解決法をブログでアウトプットしたり、Googleに対して報告したりというので情報が多いんですよ。もうひとつはAndroid OSを作っているGoogleのコアなプロダクトということで、これから不具合が出ても対応されていくという安心感がありますね」
↓ほぼ同時刻に撮影。上がPixel 3で下がiPhone X
――話題のカメラ機能はどうですか
ニノさん「ユーザー目線で言うと、Pixel 3/3XLのスゴいところは、シングルレンズであるにもかかわらず、AIの力を使ってデュアルレンズやトリプルレンズと遜色のない写真を生成することができる。
あと、僕は開発者だからというのもあって、いわゆる夜間モードの“Night Sight”が追加される前から開発版のカメラを使っているんですよ。それもまたAIの力で、わずかな光源でも光を増幅させたような、とてもきれいな写真が撮れる」
――発色が独特ですよね。
ケイくん「AIが予想して色を塗っているんでしたっけ」
ニノさん「まったくの自然ではないけど、自然に見える色合い。あとはディスプレイが有機ELなんで発色がいい。あと、ヌルヌル、サクサク動く。スクロールがすごいスムーズですね。昔からあるイメージでAndroidは動きが悪い、iPhoneはスルスル動くというのがあるんですけど、Pixel 3/3XLはiPhoneよりもヌルヌルした動きですね」
――ヌルヌルというのは?
ニノさん「スクロールをしてるときにAndroidはカクンカクンというのがあるんですけど、Pixel 3/3XLはこちらの想像以上にスクロールしてくれたりとか。アプリの起動も早いので、総合的にレベルアップしたなと」
――“Googleレンズ”の使用感はどうですか?
ニノさん「楽しいんですけど、そこまで精度は高くないかな。商品を探すというよりかは、道端を歩いていて、気になる植物があったときにこれなんだろう? と調べたりとか。日常生活の疑問解消ぐらいだったら使えるかなという気はしています。あと、GoogleレンズでできるのはOCR(光学文字認識)ですね」
ケイくん「URLが書いてあったらそれを認識してすぐに移動できるようになったりってことですね」
――ハードウェアとしてはどうですか?
ケイくん「細いし軽い。端っこが丸いんで、さらにそれを感じますね」
ニノさん「Pixel 3/3XLはおサイフケータイが付きました。“Google Pay(グーグルペイ)”の電子マネーで支払うと景品が当たるんですよ。朝はコンビニでいろいろ買ってるんですけど、1週間で3,550円当たりました。半分ぐらい返ってきてますね。ただしこれは日本限定のプロモーションで、12月末まで」
――デベロッパー目線で見た、Pixel 3/3XLの魅力はと言うと?
ニノさん「Android OSの最新版が降ってくる、Googleから直接提供されるのが一番大きいですね。それで何が得かと言うと、Androidのアプリケーションを開発してる時に最新のOSをインストールできる端末がなかったら、エミュレータでチェックするしかないんですよ。実機で動作を見るのとエミュレータとは全然動きの感覚が変わってくることがあって、そういうのが確認できるのはすごくありがたいですね。ただ、個人で使っている端末に開発中のアプリを入れたくないなというのがあるんで、会社でも1台買ってもらえたらいいですね(笑)」
――さりげなくアピール(笑)。
ニノさん「あと、ヌルヌルしすぎて、今これで実装しちゃうとアプリとしてチューニングがおろそかになりかねない」
――もっとわかりやすく言うと?
ニノさん「Pixel 3/3XLで開発したあと、ちょっとショボめの端末で確認してみるとカクツキがすごかったり、途中でアプリが落ちたりという問題があるんですよ。逆にPixel 3/3XLの場合は洗練されているから、ちょっと手を抜いて作ってもきれいに動くと思うんですよ。そういう意味では、今、これを中心に開発しちゃうと、クオリティ(全体のユーザ体験)は低めになりそうな気がします」
――懐が深い、許容範囲が広いというか。車にたとえるとなんですかね?
ニノさん「すべての車のベースとなるようなものなので…」
ケイくん「『プリウス』的な?」
ニノさん「今で言う電気自動車」
ケイくん「プリウスがリファレンス的な立ち位置だと思うんで」
――プリウスはPHVの方ですよね。世界的な視点で言うとワーゲンの『ゴルフ』かもしれないですね。
ニノさん「それでいくと『テスラ』かな。高級品ではないんですけど、未来を見据えたという点では、世界だとテスラ、日本だとプリウス」
――一般ユーザにもおススメできますか?
ニノさん「ユーザ視点で言うとおススメ。Androidを使うのならばおススメです。やっぱりiPhoneとAndroidは全然違っていて、ハード含めてAppleさんが自前でやってるというところで、iPhoneの方が洗練されてる気がするなぁ。ただ、自分でいろいろいじりたおしたい人ほど、Androidはいいかな。決まりきった世界観が好きな人だったらiPhoneだし」
――Pixel 3/3XLの素性がいいということですよね。
ニノさん「だからiPhoneはかゆいところに手が届かなくとも、我慢しなきゃならないですよね。Androidはそのへんがどうにかなっちゃうところがあるんで」
――ケイくんはどうですか?
ケイくん「いろいろカスタマイズされたものが入っていないので、開発者は使いやすいとは思います。一般の人はある程度ターゲットが絞られていて、GalaxyやXperiaみたいに特化したものが入ってないので、iPhoneユーザはすんなりAndroidを使うことができる。そんなにハードルは高くないんじゃないですかね」